しまの応援者01_しまの100年後を見据え、地域の魅力を編集する
「しまみらいBridge」の舞台となるうるま市。2005年の2市2町合併により、沖縄県では第3の都市といわれるほど大きな市です。
この土地で、地域の魅力を生かし、「100年後のうるまをつくる」をコンセプトに掲げているのが「一般社団法人プロモーションうるま」。雇用の促進、島嶼地域の活性化、うるま市内の3つの施設の運営管理を軸に、うるま市の未来づくりを積極的に行なっています。
プロモーションうるまでメンバーを牽引するのが、代表の中村薫さん。さまざまなプロジェクトを通してまちづくりに尽力しています。
「一般社団法人プロモーションうるま」の前身は、「人材育成」、「企業支援」、「観光商品の開発」、そして「地域資源を活用した商品開発」の4つの事業を軸にした「うるま市地域雇用創造協議会」。
県外の百貨店などで開催される物産展の企画やディレクションに携わっていた中村さんは、沖縄全体を通して見ていた目線をうるま市に向け、「地域資源を活用した商品開発」のチームリーダーとして奮闘しはじめます。
「実際にうるま市に腰を据えるまで、ここには何もない…と思っていました。でも違った。特に、沖縄の原風景がのこる島嶼地域には魅力的なもの、ひと、場所が存在していました。点在する魅力を収集し、それらを掛け合わせたり、新たな切り口で発信するなど、地域の魅力を編集する必要がありました」。
「うるま市雇用創造協議会」として、規定の3年の事業を経たのち、「まだまだ地域の課題を解決には至っていない」と、島々を含むうるま市の魅力をさらに編集するため、「一般社団法人プロモーションうるま」を発足。
地域の事業者や生産者、またそこで暮らす人たちの声を聞き課題を見つけるとともに、行政と足並みをそろえ、時に提案を交えながら地域課題を解決する活動を行なっています。
そのひとつが、島嶼地域の人口減少という課題。
解決の糸口として、島嶼地域の廃校を活用した芸術イベント「イチハナリアートプロジェクト」(2012年実施)や、「暮らしにアートin 伊計島」、地域に残る郷土芸能を継承していくための「たかはなり・島あしび」などのイベントに加え、島の空き家に移住を推進する「お試し移住」など、さまざまなプロジェクトで島嶼地域が抱える課題に向き合っています。
「単純に開発を進め、利便性だけを重視することが、島の人たちの暮らしをよりよくするだろうか…。今の活動は、5年後、10年後に繋がり、その先に100年後がある。課題解決の方法が、100年後の島の人に本当の豊かさを生み出すのだろうか…」。
社のコンセプトに掲げた「100年後のうるまをつくる」は、中村さんを中心に課題解決に取り組む一人一人のスタッフにとって、プロジェクトを企画・運営する際の指針にもなっています。
「これはアートイベントのキュレーターの方から頂いた言葉なのですが…。地域を豊かにしていくには3つの種類の人が必要だそうです。それは、風の人、土の人、水の人。外から来る人(風)が新たな種を運び、その土地の人(土)と一緒になる。とはいえ、硬い土壌では種は育たないので土地を柔らかくするために、栄養を与える人(水)が必要。僕らはまさに水の人であるべきだと思っています」。
●一般社団法人プロモーションうるま
所在地:沖縄県うるま市字田場1304-1 1F
電話: 098-923-5995
https://www.promo-uruma.com/